中小企業経営者や個人事業主にとって、事業承継は会社(事業)と自分自身の将来にかかわる大きな問題です。
とりわけ、中小企業であれば自社株等、個人事業であれば事業用資産等の承継にかかる相続の問題は、避けて通ることが出来ません。
事業承継を考える場合には、事業の継続性の確保を基本におきながら、財産や自社株の評価、生前贈与など相続税、贈与税とあわせた「相続対策」を考えていくことが望ましいと思われます。
当事務所では、相続・贈与などをふまえた事業承継計画(経営承継基本方針書)の作成、進捗状況の管理などのお手伝いさせていただいています。お気軽に御相談下さい。
過去の延長で経営を考えていては、いつまでたっても事業承継の重要性に気づかないでしょう。戦略的思考をもって経営計画を策定し、これから先の経営のあり方に想いをはせてみれば自ずと事業承継の場面がイメージできるはずです。
自ら気づき、動機付けができるように、一度経営計画を真剣に考えることをお勧めします。
事業承継に当たっては、会社・経営者・後継者などについて現状分析することが大切です。まずは「己を知る」ということです。経営者が知っていることでも、後継者は知らないことが多いものです。
特に借入金など負の部分はなかなかあからさまには伝わっていません。経営者と後継者が共に現状分析することで会社の全体像を理解する良い機会にもなります。
中小企業の事業承継は新族内承継が基本になります。しかし、現状分析をした結果、後継者にふさわしい者が従業員や外部の者である場合には、親族外承継を行うこともあり得ます。
また、後継者自体が見つからない場合には、事業価値が高いうちに売却(M&A)する、ということも考えられます。
事業の承継に向けて、必要な項目ごとに、「いつ」「誰が」「何を」行うのかを決定し、スケジュール化します。ここでは目的・手段体系によりまとめる必要があります。経営承継は扱う分野がかなり多岐にわたります。
何のために行っている作業なのかをしっかり理解していないと「木を見て森を見ず」になり、手法に振り回されることにもなりかねません。
事業承継計画が策定されれば、あとはスケジュールどおり実施するだけです。当初前提としていた経営環境に変化が生じたり、想定外のことも起こります。このようなときは再度計画を見直し、その変化に対応する必要があります。
事業承継対策は、できるだけ早い時期から検討、準備をすすめることが大切です。
まずは専門家である税理士などに相談し、自分自身と後継者にとって最適な事業承継を実現させましょう。